【舞台】劇団四季『WICKED(ウィキッド)』(2007)/初演キャストで見ているのだ!

エターナルスリーパー巴

3/7から映画『ウィキッド ふたりの魔女』公開ですね。
見たぁい!でも今のところ見に行けそうな日がない!
ってわけで、劇団四季のミュージカル『WICKED』の思い出でも語っておこうと思います。

ミュージカル『WICKED(ウィキッド)』とは

元々は、『オズの魔法使い』をベースにした二次創作小説が原作です。
『オズの魔法使い』の悪役・西の悪い魔女を主役にした物語で、彼女が悪い魔女になるまで、そして『オズの魔法使い』の物語の裏でどんなことをしていたのかが描かれています。
『オズの魔法使い』はアメリカが舞台の児童文学なので、アメリカでは(アメリカ以外でも?)誰でも知っているレベルのお話だそうです。
日本で言うなら、『桃太郎』の鬼を主役にした物語って感じですね。

ブロードウェイでのオリジナルキャストは、主役の西の悪い魔女であるエルファバをイディナ・メンゼルが演じています。
『アナと雪の女王』でUS版エルサを演じた女優さんです。
トニー賞も受賞していますし、ブロードウェイでは2003年初演でいまだにロングラン公演中です(2025年3月現在)。

というわけで、ミュージカル界では『オペラ座の怪人』『レ・ミゼラブル』クラスのレジェンド作品といえるでしょう。

一言で言うと…

なんやかんやうんちく言いましたが、一言で言うと「女の友情物語」です。
大学生のエルファバ(西の悪い魔女)とグリンダ(北の良い魔女)はお互い「アイツムカツク」と毛嫌いしていたんですが、ひょんなことから仲良くなります。
そして同じ人を好きになり…。

自分でも制御しきれないぐらい強い魔力があったエルファバは、実際は魔力のないオズの魔法使いに利用されそうになります。
そこから一人逃げるときの歌が「DEFYING GRAVITY」。
映画のCMでも使われている歌です。
この歌がいいのよ~。

そこから二人の運命が分かれ始め…。

私は初見で「昭和の少女漫画っぽいな」と思いました。
ベタかつドラマチックな展開といいますか…。
私は大好物でドハマリしました。

初演キャストで見ました!

ふふふ、私の数少ない自慢のひとつが、「劇団四季のWICKEDを初演キャストで見ている」なのです!
しかもいい席だったの。
調べたら2007年だったみたいなので、18年前…ヒィ!
エルファバは濱田めぐみさん、グリンダは沼尾みゆきさんでした。

劇団四季は何度か見ていますが、それまで役者さんの名前まで覚えるほどの熱量はありませんでした。
でも濱田さんはかっこよすぎて即覚えしたよ!
退団後も、いろんな作品で名前をお見かけしますし大活躍されていますね。
濱田さんが出られていたら「おっ安心だ」って思える女優さんです。

そして、この舞台の陽の部分を一手に引き受けているのがグリンダ。一番体力いるキャラだと思う。
実際、WICKEDの舞台裏みたいな番組で、沼尾さんがルームランナーで走りながら歌う(声を震わせない)訓練をされているのを見ました。
グリンダできるのこの人しかおらんのちゃうかってぐらいハマってました。
言い方悪いと思うけど、あのアッパラパーでありつつも押しの強い感じ、最高にオモロかった。
そう、オモロいんですグリンダというキャラは。
シャボン玉飛ばしながら登場するし。
オモロいだけじゃなく、存在感の強さやきれいなソプラノボイスって確かな実力ももちろんなんですが。

濱田さんと沼尾さん、本当いいコンビでした。

実は2回見た

私は一度見た舞台を何度も見ることは滅多にないんですが、これはハマりすぎて2回見た。
グリンダは2回とも沼尾さんでした。

初回(開幕2週間目)と、2回目(数ヶ月経ったとき)では演技が少し変わっていました。
開幕時はブロードウェイキャストの演技に忠実にされていて、数ヶ月経ったときはブラッシュアップしていったって感じですかね。
気づいたのは、グリンダの「ポピュラー」の時。
初回はベットの上に仰向けに寝転がって歌う場面があったんですよ。
そのときグリンダはキャミソールドレスみたいなのを着ていたので、仰向けで寝っ転がるとお胸の谷間にヒヤヒヤしていたんですが(もちろん何事もなかったけど)、2回目に見たときはそれがなかったので「あ、変わってる-」と思いました。
ヒヤヒヤがない方が落ち着いて見られて良かったです。

2回目のエルファバは濱田さんじゃなくて…
グリンダの方が存在感強い感じでしたね。

鳴り物入りの上演だったが…

開幕当時はバンバン宣伝売ってて、注目の新作というような印象でした。
CMをしょっちゅう見かけたので、かなり力が入っていたと思います。

でもめちゃくちゃヒットしたかというと、そうではなかったんじゃないかなという印象です。
やっぱりディズニーものの方が人気なのと、日本人の「オズの魔法使い」の認知度がそれほど高くなかったというところかなぁ。

実は劇団四季で上演する少し前に、USJでも短縮版のWICKED上演してるんですよね。
でもあんまり話題になってなかったような気がするので、いまいち日本には乗り切れてないような感じ…。

がんばれWICKED。
私は好きだぞ。
18年前のことを未だに熱く語れるほどに!

曲もいい

曲、いい…。
全部いい…。
全部歌える。
それは舞台見てからアホほどCD繰り返し聞いてたから。

でも本当にいいんですよ、いい感じにドラマチックというか。
感情を揺さぶる系というか。
うまいことできてるわーと思います。
ちゃんといろいろ計算して作られてると思う。

ちなみに開幕2週間では劇団四季版のCDは作られてなくて、ブロードウェイのオリジナルキャスト版のCDが売られてました。
2回目行った時に四季版のも買ったよ!

原作との違い

原作小説も読みました。
2007年に読んでるのでうろ覚えですが、舞台ではエルファバは「普通の感覚を持っているが特異な肌と力を持って生まれた女の子」ですが、小説ではもうちょっと得体の知れない雰囲気があったような気がします。

大きく違うのはラスト。
原作ではエルファバがドロシーに水をかけられて、体が溶けていく場面で終わります。
救いがない話です。

舞台版ではその後がありますよね。
アメリカのショービズらしい改変ですが、私は舞台版の話の方が好きです。
たぶん映画版も舞台版準拠でしょうから、悲劇ではないと思います。

舞台にしろ映画にしろ、見る前は『オズの魔法使い』を再読しておくのがオススメ。
版権が切れていますので、下記から無料で読めます。

読んでから見ると、いろんなキャラが「ごん、おまえだったのか…」となること間違いなし。

ネタバレ:ラストの感想

ネタバレするので折りたたみ。

ラストの感想
ラストは、
エルファバは人でなくなった(人型ではある)愛する人と、オズを離れて新天地へ旅立ちます。
究極のプラトニックですな。
 
かつて「人気者でいること」に命をかけていたグリンダは、望み通りオズの国民から慕われる人気者になったものの、本当に親しい人は周りから消えてしまった。
愛する人も親友も失い、誰にも言えない秘密を抱えて生きていかないといけない。
魔法の腕に関しても、ここから頑張っていかないといけないし、結構イバラの道に思えます。
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